Xは、かねてその成立を期待していた店舗借入れの交渉が思うように進捗せず、また、交渉相手のBから「やくざ者には店を貸さない」と言われ、気分がむしゃくしゃしたため、ウイスキー・日本酒を大量に飲んで酩酊していた。そして、内妻Aに「お前もお前だ、焼鳥屋のオヤジに自分の亭主が馬鹿にされたら、出刃包丁位持って文句を言って来い」と当たり散らした。Aは「私も面白くない。それ位のことは言ってきてやる」と本気になって行きそうになり、止めても聞かなかったため、Xは、Aを思いとどまらせるために自宅の4畳半の室内において、目の前にあった日本刀を抜いて数回上下に振り回しているうちにAの腹に日本刀が突き刺さってしまった。その結果、Aは右腎肝刺創に基づく失血により死亡した。 そこで、Xに、Aに対する傷害致死罪が成立しないかが争われた事案。
| 「暴行」が人の身体に対する(1)な(2)の行使だとしても、その有形力が(3)と(4)しなかった場合にも「暴行」に当たるか。 |
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| 理由 ・接触を必要と考えると、被害者に当たれば暴行となるが、たまたま被害者がうまく避けたら暴行とならないことになり、(5)の(6)によって暴行罪の成否が決せられることになり(7)である。 ・暴行罪は208条の文言からみて傷害未遂罪としての性格を有し、その限りで(8)としての性格を肯定できる。 結論 有形力が身体と接触しなかった場合でも「暴行」に当たる(接触不要説・通説)。 |
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