#17 基礎技術『発声 声帯編』
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出題内容
- 問1: ____ 2-1.声帯振動 ____は“____”となる____が一番最初に生まれる場所です。 私たちは____によって____から“____”を出していることを呼吸の項目で説明しました。次に、声帯を使って“息”を“音”にしています。そして声帯で生まれた“音”に対して体内の空間を使って共鳴させたり、口内で舌などを使って呼気の流れをコントロールすることで、“音”を“声”にしています。 そして声帯は音を生み出すだけでなく、声の高低を決める場所でもあるのです。 人には地声の高い人、低い人が存在します。そしてこの音の違いは、声優にとっての商売道具である声を売り込む上で、重要な要素になります。 例えば、アニメを見ているとき、小学校低学年の女の子が地鳴りのような低い声をしていたら違和感を覚えませんか?身長2メートルはありそうなマッチョな男性が甲高い小鳥のような声をしていたら、力強さを感じられないかもしれません。コメディ作品などであれば、そんなあえてのミスマッチを狙う場合がないとは言いません。しかし多くの場合アニメなどではキャラクターの見た目と声はイメージが結びつきやすいように作られています。これは、見る人に余計な情報を与えず、作品に集中してもらうための配慮でもあります。 作品を見る視聴者たちは日々生活する中で声の高低に対するイメージを既に持っており、作り手もそれに沿ってキャラクターの声を決めていきます。オーディションなどで、とても高く透き通るような声の女性声優が力強い女戦士として選ばれることは多くありません。同様に、声がとても低い男性声優が、線の細い男の子として選ばれることも多くありません。つまり声優にとって地声というのは、作品においての適性を見る上で、視聴者・作り手から必ず見られている要素なのです。そんな地声の高低を決めるのが“声帯”になります。 2-2.声帯とは 人間の喉の奥、首の内側には空気が通り抜ける声門という器官があります。声門にあるひだ状のものが声帯です。大きな建物などにある、左右にそれぞれ扉の付いた両側に開く自動ドアを想像してみてください。 左右の扉が“声帯”で任意で開閉を行うことができます。呼吸時にはこの左右の扉は開かれています。 この左右の扉には、合わさる側にひだが付いており、左右のドアが近付いた状態、つまり少しだけ隙間を開けた状態になると、呼気が通る際にこのひだが擦れ合い振動することによって音が出ます。これが“声”です。 そんな自動ドア、声帯について詳しく見ていきましょう。 声帯とは“声帯筋(内側甲状披裂筋)”と“声帯靭帯”の両方をあわせた総称です。 厳密には声帯筋という筋肉を声帯靭帯が覆っており、更にそれを粘膜が覆っているものが声帯と呼ばれています。 声帯には発声において2 つの役割があります。一つは声帯を門とした開放・閉鎖、もう一つがひだの緊張と緩和です。それぞれ呼吸や声にどんな役割を果たしているのでしょうか。 2-3.声帯 声帯は“声”となる音が一番最初に生まれる場所です。 私たちは呼吸によって肺から“息”を出していることを呼吸の項目で説明しました。次に、声帯を使って“息”を“音”にしています。そして声帯で生まれた“音”に対して体内の空間を使って共鳴させたり、口内で舌などを使って呼気の流れをコントロールすることで、“音”を“声”にしています。 2-4.開放と閉鎖 開放・閉鎖は、空気を通す際に流れる空気の量を調整します。音を伴わない“呼吸”と“声”を分けているのもこの開放・閉鎖になります。開放する際に後輪状披裂筋、閉鎖する際に外側輪状披裂筋という筋肉を使っています。 開放・閉鎖における声帯の構造は、人体の唇やまぶたに近いと言われています。 ●使用する筋肉 後輪状披裂筋…声帯を開く。 外側輪状披裂筋…声帯を閉じる。 披裂間筋…完全に声帯を閉じる。外側輪状披裂筋収縮時にサポートとして使用し隙間を無くす。 ●声帯の開放と閉鎖の5段階 2-5.声帯のワークアウト1 【リップロール(開放・閉鎖)】 声帯に似た構造を持つ唇を使って音を鳴らすことで声帯の形状を認識するワークアウトです。 力を抜いた状態で上下の唇を閉じ、その状態で腹式呼吸を使って一定の呼気を出し続けると「プルルルル…」という音と共に、唇が振動し開放と閉鎖を繰り返します。声門ではこのリップロールと同様のことが発生し、呼気を音に変換しています。 リップロールは力が抜けていないと発音が難しく、表情筋のストレッチや呼気の調整としてプロのミュージシャンのウォーミングアップにも利用されます。リップロールを用いて声帯の構造の実感を行うとともに、唇の脱力を通して声帯を脱力させることの重要性を認識できるワークアウトです。 ※声帯は適度に閉鎖しなければいけないの? 適度に閉鎖された声帯が聞き取りやすい声を発声するために必要であることは前述しました。 しかし、常にそれを行う必要があるわけではありません。 静かにしなければならないような環境でコソコソと話をするとき、私達は無意識のうちに囁き声(ウィスパーボイス)を使用しています。これは声帯を開放して息混じりの声にすることにより声帯の振動による音を減らしている状態です。例えば、とても静かな部屋などでリラックスした状態で至近距離の相手に喋るようなシーンのとき、このウィスパーボイスは効果的と言えるでしょう。 また、声帯は老化や筋力の低下とともに痩せ細ってしまい、閉鎖が不安定になり声に息が混じる場合があります。それを利用して、老人のキャラクターを演じる際などに、意図的に声帯の閉鎖を弱めることによってかすれた音色を再現している方もいらっしゃいます。 逆に声帯を閉鎖させ、詰まったような声(喉声)を出すことが効果的なシーンもあります。 例えば、緊張のあまり全身に力が入ってしまい、それでも何か言葉を発さなければならない、というとき、全身のこわばりが声帯にも反映されたような、詰まった声がシーンを演出します。 また、例えば恐ろしい見た目をした異形の怪物などを演じるとき、わざと声帯を閉鎖した固い音を使用する方もいらっしゃいます。これはリラックスした地声のまま声を出してしまうと、声として人間のキャラクターとの差別化が測れないなどの理由などがあります。 このように声帯を用いることで音に幅をもたせ、演技の幅やキャラクターの幅に繋げられるケースも多々あります。しかし、声帯は繊細な器官であり、過度に開放・閉鎖した状態で練習を重ねると、声帯の炎症につながる場合があります。必要な局面以外では声帯に負荷をかけすぎないように注意しましょう。 ●まとめ ・声帯は門として開放と閉鎖を行うことにより、声と息を分けている ・適度な声帯の閉鎖が聞き取りやすい声を生む。 ・声帯の閉鎖具合は加齢などによって変化するため、声帯のコントロールが演技の幅に繋がる。 3-1.緊張・緩和 緊張・緩和は、声の振動数を調整し、結果的にそれが声の音階の高低に繋がります。 具体的には輪状甲状筋という筋肉を使い声帯の緊張状態を調整し声の高低を調整しています。 声帯を強く張った緊張状態の時は声帯の振動数が上がり高い音が、声帯を緩めた弛緩状態の時は振動数の少ない低い音が出ます。 ●使用する筋肉 【輪状甲状筋】 声帯の緊張を行う、高い声のときに使用する筋肉。輪状甲状筋が収縮することにより、甲状軟骨という軟骨が倒れ接着した声帯がぴんと張って緊張状態となる。 【甲状披裂筋】 声帯の弛緩を行う、主に低い声のときに使用する筋肉。内側と外側があり、内側甲状披裂筋を声帯筋とも呼びます。 ●声帯はゴム? 輪ゴムを親指と人差し指に引っかけて、指の距離を変えて張ったり緩めたりしてみてください。 それぞれの状態で輪ゴムを弾くと、張ったときは高い音が、緩めた時は低い音が出ます。声帯も全く同じで、私たちは歌などを歌うとき、この緊張と弛緩を繰り返して音程を取っています。 3-2.声帯のワークアウト2 【リップロール(緊張・緩和)】 声帯のワークアウト・リップロール(緊張・緩和) 声帯と似た構造を持つ唇を使って、声帯の緊張と緩和を実感するワークアウトです。 開放・閉鎖同様に、唇を軽く閉じて腹式呼吸を用いて呼気を送り「プルルルル…」と言う音を出してみてください。この際に少しだけ唇に力を入れ唇を“軽い緊張状態”にすると、「プルルルル…」と言う音の振動数が上がって速度が速くなり音程が若干高くなることを実感することができます。 逆にリップロール中に唇の力を少しだけ抜き、“軽い緩和状態”を発生させることで、「プルルルル…」の振動数が下がり、速度が遅くなるとともに音程が若干低くなることが実感できるはずです。 声帯はこうして緊張と緩和をコントロールすることで、音程を調整しています。 3-3.声帯による声の違い この声帯の太さ、長さは個人差があり、この後の項目で説明する“共鳴”と合わさることで、声に個性が生まれます。一般的に声が高いと言われる人は声帯が細く短く、地声が低い人は声帯が太く長い傾向にあります。身長が高い人は身体の大きさに合わせて声帯が長くなる場合が多く、小柄な方は逆に声帯が短くなる場合が多くあります。 また、高い声については輪状甲状筋肉の強化によって緊張状態をコントロールすることで、 音階をかなり高くすることも不可能ではないとされており、逆に低い声は弛緩状態の限界があるため、生まれ持った物から更に低くするのは難しいとされています。 ●緊張・緩和まとめ ・声帯は弦として、緊張・緩和を行うことにより声の高さを変えている。 ・声帯の大きさによって地声の高さ・低さは変わる。 ・身体の大きなキャラクターほど低い声が、小さく細いキャラほど高い声が求められることが多い。 3-4.声帯のワークアウト3 【位置の確認】 声帯の位置の確認のワークアウトです。男性にとって声帯の位置は分かりやすく、喉仏の内側辺りに声帯があります。女性の場合は喉仏の隆起が無いため、喉のあたりに軽く指をあて、口を閉じて唾を飲み込んでみてください。この時上下に動く場所が声帯になります。 【地声の確認】 地声を確認するためのワークアウトです。 声帯の位置の確認ができたら、声帯の位置に軽く指を当て力を抜いて「あー」と声を出してみましょう。低い声を使うと、声帯の振動がしっかり感じられると思います。この低い力の抜けた声がいわゆる「地声」です。地声と同じキーを使って、息を混ぜるイメージで「ふぁー」と声を出してみましょう。声の輪郭がぼやっとしたような声が出るはずです。これが声帯を開放した声です。次は喉に力を入れて、強い呼気を当てないようにしつつ「あー」と言ってみてください。苦しそうな声が出たと思います。これが声帯をかなり閉鎖した声です。 【振子発声】 地声を確認し、声帯の力みを抜くためのワークアウトです。 肩幅程度に足を開き、上体を前に倒して前屈状態になり、振子のように左右に揺れます。 しっかり力を抜き、腕が遠心力で揺れるくらい脱力してみてください。 その状態で声帯を振動させるイメージをしっかり持って力を抜きつつ「あー」と声を出してみましょう。 ちからの抜けた少し篭ったような低い声が出たら成功です。 【ウィスパー】 声帯を門として認識するためのワークアウトです。 【ロングトーンの停止】 声帯への負荷軽減のため声帯で呼気を切らないようにするワークアウトで、腹式呼吸のワークアウトでもあります。軽く「アー」と声を出している際に、横隔膜を用いて呼気が肺から出るのを止め、音を切ってみてください。 上手くできていると音が「アー…」というようにフェードアウトしていきます。 声帯で音を切ってしまっている場合「アーッ」というように音がピタッと切れたり、詰まったような形で音が切れます。呼気を横隔膜で切ることを吸気的止気、声帯で切ることを呼気的止気と呼びます。 横隔膜を使いこなすことで、声帯の負担を減らす意識を持ちましょう。 まとめ ・声帯には開放・閉鎖、緊張・弛緩の二つの役割があり、様々な声を作っている。 ・首、胸、肩周りの緊張は声帯の力みへとつながるため、柔軟にしておく。 ・声帯が力むと良い声が出づらくなり、喉が枯れる原因にもなる。
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