英文読解の設問づくりで確認したいこと
読解テストで何を確かめたいかによって、同じ英文でも問い方は変わります。AIで作成した設問を授業に使う前に、本文・選択肢・解説を一緒に見直すことが大切です。
必要な情報と文章全体の理解を分ける
文部科学省の高等学校学習指導要領では、読む目的に応じて、必要な情報や文章の概要・要点・詳細を捉えることが目標に含まれています。日時や場所を正しく取り出せることと、文章全体が何を伝えているか分かることは、別々に確認したい理解です。[1]
掲載例の学校菜園の英文なら、生徒が計画を変えたきっかけを問う設問は、具体的な情報の確認になります。一方、なぜ他の学校に参加を呼びかけるのかを考えるには、菜園の規模と活動の目的を結び付けて読む必要があります。設問数を増やすだけでなく、どの読み方を確かめる問題なのかを先に決めると、授業の狙いに合わせて編集しやすくなります。
推論の正答は本文の根拠で確かめる
Cambridge EnglishのC1 Advanced向け指導資料では、読解の選択問題で詳細・主旨・意図・含意などを扱い、回答を本文の根拠に照らして検討する活動を勧めています。[2]
推論問題では、本文に書いていない事実を想像させすぎないことが重要です。菜園が小さく、全員に十分な食料を届けられないという記述は、協力を求める理由の根拠になります。生徒の性格や家庭の事情まで推測した答えは、本文から確かめられません。生成された正答だけを見ず、どの文とどの文を結び付ければその結論に至るかを確認してください。
誤答の選択肢と解説を一緒に見直す
正答を一つにする問題では、本文を根拠に正答を選び、ほかの選択肢を選べない理由も説明できるか確認します。時系列の取り違え、一部の情報だけで判断した答え、本文にはない情報など、読み違いの理由が分かる選択肢を検討します。単に長さや語句が不自然な選択肢にすると、本文を読まずに正答を選べる場合もあります。
解説は本文の一節を引用するだけでなく、その箇所がなぜ答えの根拠になるかを説明すると、授業で扱う読み方を伝えられます。テストメーカーでは設問・選択肢・正答・解説を編集でき、回答後に設定した解説を表示します。自動採点は登録した正答を基準にするため、配布前の内容確認は作成者が行います。
出題形式を読む目的に合わせる
選択問題は、本文に沿った複数の解釈を見比べる場面に使えます。本文から単語や短い表現を抜き出す記入問題は、必要な情報を見つけられるか確認する場面に向いています。ただし記入問題では、許容したい表記を正答や別解に設定する必要があります。英文として同じ意味でも、未登録の言い換えが自動で正解になるわけではありません。
自分の言葉で理由を説明させたい場合は、記述問題を用い、作成者が採点します。語彙や語形を確認する目的なら、英単語テストや英文穴埋めテストも選べます。AIの出力をそのまま評価に使うのではなく、本文と授業の目的を基準に内容を整えてから、生徒へ回答URLを共有しましょう。
参考資料
[1] 文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領(平成30年告示)』第2章・外国語。
[2] Cambridge University Press & Assessment(2024)『C1 Advanced Teaching Tips』Reading and Use of English, Part 5(p.8)。



